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こどもの矯正/歯並びが悪くなる7つの原因と予防

わるい歯並びは広範囲に及ぶ原因が複雑に組み合わさって引き起こされます。乳歯から永久歯に生え変わる小学1年生ごろからの時期(一期・混合歯列期)に考えられる原因と予防方法について解説します。

こどもの矯正とは

こどもの矯正治療は2つの時期に分けて治療していきます。

乳歯が生え始めてから永久歯に生え変わっている間までの時期(一期・混合歯列期)と、乳歯がすべて永久歯に生え変わった時期(二期・永久歯列期)のそれぞれの時期に適切で効果的な治療を行っていく流れになります。

7つの原因と予防

今回は混合歯列期に考えられる、不正咬合(歯並びがわるい状態)の原因と予防方法をご紹介します。

①過剰歯

過剰歯(かじょうし)とは本来生えるべき歯の本数(乳歯20本・永久歯28〜32本)より多く生えてきた歯です。

乳歯列

永久歯列

人間の歯は、乳歯なら20本、永久歯なら28〜32本が通常の本数なのですが、それよりも多くできてしまった歯のことを過剰歯と呼びます。30〜40人に1人ぐらいの割合で過剰歯がある人がいて、そこまで珍しいというわけでもありません。

過剰歯
骨の中に埋まっている歯(過剰歯)

過剰歯は、歯列に加わって生えている場合骨の中に埋まっている状態の2種類があります。
なかでも、エックス線検査(レントゲン撮影)によって発見された埋伏過剰歯は、その場所の歯の並びに関係することがあります。とくに、隣り合う永久歯の生える方向、あるいは歯の根っこの形成を障害する可能性がある場合は過剰歯の摘出が必要となります。

②歯の大きさ、および形態の異常

矮小歯
矮小歯(左右真ん中から2本目が小さい)

歯の大きさの異常は、歯と歯を配列する顎骨の大きさとの不調和(アーチレングスディスクレパンシー)を引き起こします。歯が大きい場合はデコボコ(叢生)に、小さい場合はすきっ歯(空隙歯列弓)を引き起こす可能性があるので、将来の永久歯列咬合を予測しながら対応する必要があります。生えてきた永久歯が大きい場合は、二期治療において永久歯の抜歯の可能性が高まります。

③歯の先天性欠如

パノラマレントゲン
パノラマレントゲン

乳歯の先天性欠如(せんてんせいけつじょ・生まれつき特定の歯がないこと)はまれですが、パノラマレントゲンなどで永久歯の先天性欠如が見つかることがあります。欠如した永久歯の部分に生えている乳歯が抜けずに永久歯列期になっても存在しつづける場合や、抜けてしまった場合にはすき間が発生します。
将来的に、インプラントやブリッジなどで補綴処置をするのか、矯正治療によって歯を移動させてすき間を閉じるのかなど、二期治療開始前に最終的な治療方法を決定する必要があります。

④上唇小帯、頬小帯の発育異常

異常に発育した上唇小帯や頬小帯は、その部位の乳歯が歯間離開(しかんりかい・ 歯と歯の間に隙間が空いてしまっていること)を起こしていることがあります。すぐに外科的な治療を行う場合や、永久歯が生えてくるのを待ってすき間を閉じて経過観察し、すき間が再発する場合には小帯切除術を行うこともあります。

⑤乳歯の早期喪失

通常、乳歯が自然に抜けてその後の永久歯が生えてくるまでの時間はそれほど長くないことが多いです。しかし、乳歯が早期に抜けてしまったり、乳歯が抜けたにも関わらず永久歯がすぐに生えてこない場合があります。特に臼歯(奥歯)は生えてくるのが遅かった場合、隣り合う乳歯、あるいは永久歯が抜けたすき間に移動してきてしまい、永久歯が生えるすき間が減ってしまったり、抜けたすき間に唇や舌などが入り込んで歯が生えてくるのを阻害してしまうことがあります。

永久歯への生え変わり
永久歯への交換の順番(1~7交換頻度)

乳歯が適切な時期よりも早めに抜けてしまうのを防ぐために、むし歯による歯冠(歯ぐきより上の部分)の崩壊を防いだり予防的な処置をすることがおすすめです。また、歯冠が崩壊してしまったり外傷などで早期喪失してしまった場合は、隣の歯が移動してこないような装置を装着するなどの処置が必要です。

⑥乳歯の晩期残存

歯の生え変わり
歯の生え変わり

通常、乳歯はその歯に代わる永久歯の萌出によって歯の根っこが徐々に吸収され抜けていきます。しかし、永久歯の生えてくる位置がずれていた場合、乳歯が抜けずにそのまま残ってしまうため、自然に抜けるのを待たずに抜歯をすることでずれて生えてきた永久歯の位置を正常に誘導することができることがあります。

歯の交換の時期に乱れがあり、永久歯全体の萌出が遅れている場合には別に原因があることもあるので全身的な検査が必要になる場合もあります。

⑦口腔周囲軟組織の機能異常

乳歯から永久歯への歯の交換時期はかみ合わせが一時的に悪くなるため、生えてきている途中の永久歯は口腔周囲軟組織(唇・頬・舌など)の機能の影響を受けやすい状況になります。前歯の交換時期に、口呼吸をすることで反対咬合(受け口)になりやすいという実験結果もあります。口呼吸以外にも口腔周囲軟組織にかかわる癖(舌を前に出す・指しゃぶりなど)は早期に改善する必要があります。

まとめ

矯正相談
診断の様子

上記にあげたように、混合歯列期における予防は不正咬合の原因となる項目に対する処置に加えて、乳歯から永久歯への交換が円滑に進むように助ける効果もあります。問題発見には、この時期のパノラマエックス線写真による検査が重要となります。

旭川公園通り矯正歯科では、初診カウンセリング後の精密検査でデータをもとに綿密な治療計画を作成し、矯正治療を行っています。

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