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矯正治療における精密検査の内容と目的

矯正治療における精密検査は、レントゲン・CT撮影、口腔内・顔面写真撮影、口腔内スキャンを行い、そこで得られた情報をもとに患者様一人ひとりにあった治療計画を立案するためにとても重要なステップです。旭川公園通り矯正歯科での精密検査の所要時間は45分程度です。

精密検査の目的

矯正カウンセリング
初診カウンセリングの様子

カウンセリング後、矯正治療を始める前に必ず行うのが精密検査です。現在のお口の状態を把握し、今後の治療方針を決めるうえで非常に重要となります。

一期治療からはじめた患者様は、永久歯がすべて生え揃い成長がある程度落ち着いた段階でもう一度精密検査を行います。一期治療終了後からの骨や歯の成長変化の比較、二期治療の必要性などを確認するためです。

精密検査の4つの内容

① レントゲン撮影

レントゲン撮影は、基本的にパノラマレントゲン・側面セファログラム・正面セファログラムの3種類を撮影します。その他に必要に応じて、顎関節(がくかんせつ)、手根骨(しゅこんこつ)のレントゲン撮影する場合もあります。

パノラマレントゲン

パノラマレントゲン
パノラマレントゲン

あご全体を撮影するパノラマレントゲン(パントモとも言います!)では、歯の位置や数、歯根(しこん=歯の根っこ)の長さや形、あご骨の状態などを確認します。お子さんの場合は、まだ生えてきていない骨のなかに埋まっている永久歯(えいきゅうし=大人の歯)の数や位置なども確認します。

側面セファログラム

側面セファロレントゲン
側面セファログラム

90度真横から撮影する側面セファログラム(セファロとも言います!)です。撮影したセファロから、頭蓋(とうがい=頭の骨)に対する上顎骨(じょうがくこつ)や下顎骨(かがくこつ)の前後的位置や、上下の歯の位置・傾斜などを分析していきます。これを「セファロ分析」と呼んでいます。

側面セファロトレース
側面セファロトレース
正面セファロトレース
正面セファロトレース

セファロ分析では、まずはじめに骨や軟組織(なんそしき)のトレースを行います。分析に必要な平面や点をプロットしていきます。そして、点の位置や平面同士の角度などを数値化し、標準的な歯並びの良い人の骨格や歯と比べて、上顎骨・下顎骨の骨の位置が前にあるのか後ろにあるのか、上下の前歯の位置が前にあるのか後ろにあるのか、傾斜が大きいのか小さいのかなどを分析します。矯正治療の計画を立てる上で最も重要となる検査と言っても過言ではありません。

正面セファログラム

正面セファロレントゲン
正面セファログラム

顔の真正面から撮影する正面セファログラムです。顔の対称性や、咬み合わせる平面の傾斜などを確認します。左右の対称性がピッタリととれている人は数少ないですが、ズレが大きい場合は骨格に対する治療(外科的矯正治療)が治療計画の中に組み込まれることがあります。

顎関節レントゲン

顎関節レントゲン
顎関節レントゲン

顎関節(がくかんせつ)のレントゲンです。下顎頭(かがくとう)の位置や形態に問題がないかをするために撮影します。当院では、外科的矯正治療をおこなう患者様の検査で撮影することが多いです。下顎を動かしたときの顎関節部の情報を得るために、咬んでいる状態だけでなく最大開口位(さいだいかいこうい=一番大きく口を開けた状態)の撮影を行います。

手根骨レントゲン(ハンドリスト)

手根骨レントゲン
手根骨レントゲン

手根骨(しゅこんこつ)のレントゲンです。ハンドリストとも呼びます。骨の成熟度の評価生理的な年齢を測定し、思春期性成長時期の予測などに使用します。主に、成長途中の子どもが対象となることが多く、残りの成長がどのくらい残っているかによって今後の治療方針が決められることがあります。成長が残っていないと効果の出ない治療方法や、一方で成長が完全に終了していないと開始できない治療方法があるためです。

② エックス線CT撮影(歯科用コーンビームCT)

歯科用コーンビームCT
歯科用コーンビームCT画像

歯科領域用に開発された歯科用コーンビームCT(CBCT)を使用して撮影します。ここで撮影した画像を三次元再構築して、埋伏歯(まいふくし=骨の中に埋まっている歯)の三次元的な位置の確認顎変形症における顎矯正手術のシミュレーションを作成したりすることができます。

エックス線CT検査については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

③ 口腔内・顔面写真撮影

口腔内写真
口腔内写真

口腔内(こうくうない)写真です。歯の形態や歯列、かみ合わせの状態の確認をします。治療経過の記録や、治療前後の比較、患者様への説明に使用するためにも使います。客観的に自分の歯の状態を確認することができますね。

顔面写真
顔面写真

顔面写真です。正面と側面の顔面規格写真を撮影し、顔の形やバランス、左右対称性、および口唇閉鎖時(くちびるを閉じたとき)の顔の筋肉の緊張などを確認します。

④ 口腔内スキャン

口腔内スキャナーiTero
口腔内スキャナー iTero
平行模型モデル
平行模型モデル

口腔内スキャナーを使用して、歯の模型を作成します。小さなカメラをお口にいれてスキャンしていくだけなので、従来の苦しい型取りは必要ありません。作成された平行模型モデルを見ながら、実際の歯1本1本の大きさや形の計測、歯列弓(しれつきゅう=前歯の先端から奥歯にかけての曲線)の幅、現在のかみ合わせなどを確認します。実物の模型が必要な場合には、3Dプリンターを使って模型を印刷することも可能です。

精密検査の所要時間・料金

精密検査にかかる時間はおよそ30分~1時間程度です。検査項目や混雑状況によって変化しますので、お時間に余裕のあるときの来院をオススメします。当院では、こどもの場合も1人で診療室に入ってもらいます。スタッフが優しくガイドしながら行いますので安心してください。

精密検査料金は、こども・大人ともに11,000円(税込)となります。クレジットカードの使用ができませんので現金のご準備をお願いいたします。

精密検査後の流れ

精密検査後のつぎは、矯正歯科医による診断(しんだん=分析の結果や今後の治療計画のお話)となります。精密検査から診断までは約1か月ほど時間をいただき、精密検査で得たデータを分析し治療計画を作成していきます。診断時に、詳しい治療についてのお話や(装置に選択肢がある場合は)装置の選択、治療費のお支払い方法を決定していきます。

初診カウンセリング

精密検査

診 断

装置装着

(動的治療開始)

予約方法

精密検査をうけるまえに、初診カウンセリングを行い矯正治療の概要をお話させていただき、ご理解いただいた上で精密検査を行います。まだ当院での初診カウンセリングを受けていない方は、まず初診カウンセリングのご予約をお願いいたします。

初診カウンセリングをうけ、精密検査のご予約をご希望の方はこちらからどうぞ!

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