治療できる症状

唇顎口蓋裂

唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)は、先天的に唇や顎、口蓋などに裂け目が生じている症状をさします。

お腹の中で赤ちゃんが成長していくときに、顔は、左右から伸びてくる突起が癒合してかたちづくられます。まれにその癒合がうまくいかないことがあり、裂け目となってのこってしまうことがあります。その結果として唇が割れたようになる口唇裂(こうしんれつ)、口腔と鼻腔がつながってしまう口蓋裂(こうがいれつ)、顎の骨がさけてしまっている顎裂(がくれつ)などの症状がおこります。これらの症状はいくつか同時に現れることもあり、唇顎口蓋裂は、これら全ての症状が現れている状態です。日本では約500人に1人の割合で現れる先天性疾患で、決して珍しいものではありません。

主な原因

妊娠初期に胎児に異常な力が加わってしまったり、母体にストレス(栄養障害や精神的なもの含め)がかかっていたり、鎮痛剤などの薬やステロイド薬など、形態異常を引き起こす恐れのある薬を使ったりすることで発症することがあります。また妊娠中に風疹にかかったり、放射線の照射を受けたりした場合も原因となることがあります。しかしそういった原因で唇顎口蓋裂の起こる割合は3割程とされており、大多数はその原因が不明なケースです。

主な症状

見た目の問題のほかに、発音障害や摂食障害がおこります。心臓や手足、耳などの形態異常も同時に引き起こされたり、ヘルニアになることもあります。口蓋裂では口腔と鼻腔が繋がってしまっているので、普通食べ物が触れない部分も食べ物で汚されてしまい、扁桃炎や中耳炎の原因になります。

治療方法

出生から成人するあたりまでの間、根気づよく治療を行う必要があります。口唇裂、口蓋裂、顎裂などの症状がある人は、もともと上顎の発育が不十分なことが多いです。また、形成術を行った痕によって、通常よりも発育が悪くなってしまいます。そのため、上顎の成長が著しく悪くなってしまい、下顎が上顎よりも前に出てしまう反対咬合の状態になりやすいです。歯が生えてこなかったり、噛み合わせが悪い場合も多く、そういった症状を改善するためにも、矯正治療が必要になります。また、口腔外科、矯正歯科のほかにも、小児科や形成外科、耳鼻咽喉科、言語治療科などでも治療が必要になります。

口蓋裂児の場合

・ミルクを上手に飲むため、顎の正常な発育を促すため、ホッツ床というプレートを、速やかに装着する
・言葉を覚え始める1歳半~2歳頃に口蓋形成術をおこなう
・手術後は正しい発音ができるように言語治療をおこなう

口唇裂児の場合

・口唇裂閉鎖する形成手術の時期は、抵抗力のできる生後3~4か月頃を目安におこなう

ダウン症候群

ダウン症候群の方は、先天的に上顎の成長が悪かったり、口蓋が狭い場合があり、不正咬合になるケースが多いです。そのため綺麗な歯ならびにするために、外科的矯正治療が必要な場合があります。ダウン症候群の方は外科的矯正治療に保険が適用されます。

ダウン症候群の方の歯科的な特徴

歯について

生え変わりが遅い/永久歯の数が少ない/歯の形の異常(小さい歯・円錐型の歯など)/歯の根が短い

顎について

上顎の成長が悪く、口蓋が狭い/不正咬合(反対咬合・交叉咬合)が多い

舌について

舌が大きいく、舌を出す癖がある/舌の表面に深い溝がある

唇について

口が開いている事が多く、唇や口腔内が乾燥しやすい

歯周病について

10代で歯周病にかかり、20代で重症化する傾向がある・歯周病になりやすく、悪化させ歯を失いやすい体質

健康保険適用の疾患

先天性の疾患による不正咬合などのお口周りの問題は、矯正施設での保険での治療が認められています。先天性疾患の種類には以下のようなものがあります。

唇顎口蓋裂 /鎖骨・頭蓋異形成症 /鰓弓異常症を含むゴールデンハー症候群 /トリーチャーコリンズ症候群 /クルーゾン症候群 / ピエールロバン症候群、Down症候群 / ラッセルシルバー症候群、ターナー症候群 / ベックウィズ・ウィードマン症候群 / 尖頭合指症、ロンベルグ症候群 / カブキ症候群 / クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群 / ウィリアムズ症候群 / ビンダー症候群 / スティックラー症候群/軟骨形成不全症 / 外胚葉異形成症 / 神経線維腫症 / 基底細胞母斑症候群 /先天性ミオパチー / 顔面半側肥大症 / エリス・ヴァン・クレベルト症候群 /ヌーナン症候群 / マルファン症候群 / プラダーウィリー症候群 / 顔面裂 / 筋ジストロフィー / 大理石病 / 色素失調症 / 口-顔-指症候群 / メービウス症候群 ・・・など