歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正

歯科矯正用アンカースクリューとは

矯正治療用の小さいネジを補助装置として使用する方法です

歯科矯正用アンカースクリューは、一般に「矯正用インプラント」や「ミニインプラント」とも呼ばれます(以下、矯正用インプラントと表記します)。通常の歯のインプラント治療とは違い、ごく小さなインプラントを使用します。矯正治療では上あごなどに大きな装置を装着することが一般的でしたが、この方法なら、矯正用インプラントを埋め込んでしっかりとした固定源を作り、大きな装置を使う事なく効率的に矯正治療を行うことができるのです。また、今まで、抜歯をしなければ矯正できなかった症例でも、抜歯をせずに治療ができることもあります。治療期間や、装置による違和感も減らすことができる新しい矯正治療を検討してみませんか?

矯正用インプラントと通常のインプラントの違い

矯正用のインプラントは歯を動かすための固定源の役割りをするため「アンカーインプラントと」呼ばれています。矯正用インプラントは歯を動かすための固定源の役割りをするため「アンカーインプラント」と呼ばれています。その種類には、5mm~10mm程度の長さのネジ型のインプラント(ミニスクリュータイプ)や、やや大きめのプレート型(ミニプレートタイプ)があります。矯正用インプラントは治療後取り外すので、骨とくっつかないようにできています。

一方歯周病などで歯を失ったときに、人工歯根として使われるインプラント(デンタルインプラントタイプ)は、矯正用のものよりもずっと太く、骨とくっつくようにできています。それぞれ身体に安全な金属「チタン」でできており一方、虫歯や歯周病などで歯を失ったときに、人工歯根として使われるインプラント(デンタルインプラント)は、矯正用のものよりもずっと太く、骨とくっつくようにできています。

どちらのインプラントも、身体に安全な金属「チタン」でできています。チタンは、整形外科などで骨折時の骨の接合などにも使われている安心の材料です。

治療の流れ

矯正用インプラントは、5~10mm程度の長さのごく小さなねじです。麻酔をしてから矯正用インプラントを植立するための1mm程度の穴をあけ、そこにネジを回すように埋め込みます。埋め込み処置は15分程度で完了する、痛みも出血もほとんどない処置です。骨に植立した矯正用インプラントにゴムやバネを引っ掛けてワイヤーを引っ張るなどして、歯を動かしていきます。矯正用インプラントは、通常のインプラント治療に使用されるものとはちがい、骨にくっつかないインプラントなので、治療後は簡単にはずすことが可能です。

1. 矯正用インプラント・矯正装置を装着

矯正装置を装着するのと同時に、必要な場所に矯正用インプラントを植立します。

2. 歯を動かす

矯正用インプラントを固定源として使うため、動かしたい歯を確実に動かすことができます。結果として、治療期間が早くなることもあります。

3. 矯正用インプラント・矯正装置を撤去

歯並びが綺麗になったら、矯正用インプラントと矯正装置を取り外して治療終了!

矯正用インプラントを用いた矯正のメリット・デメリット

メリット

大臼歯を後方に動かせるので、抜歯治療の可能性を低くできる

矯正用インプラントを併用した矯正では、大臼歯を後方へ動かすことが可能になります。これにより、今まで抜歯をして歯を排列する隙間をつくっていたような症例でも、抜歯をせずに治療できるケースが増えてきました。

比較的短期間で治療できる

矯正用インプラントを用いた矯正は、動かしたい歯を動かしたい位置へ短時間で移動させることのできる治療方法です。その正確さと早さで、矯正装置を装着している期間を、他の矯正方法にくらべて短くすることが可能です。

複雑な装置が必要ない

従来の矯正では、動かしたくない歯を動かさないように固定しておくための補助装置が必要でした。その装置は大きく喋りにくくなるばかりでなく、虫歯や歯周病の原因となる場合がありました。矯正用インプラントを併用した矯正なら、動かしたい歯だけを動かすことができるので、固定のための複雑な装置が必要なく、わずらわしさから解放されます。

デメリット

矯正用インプラントを入れるため、麻酔・手術が必要

歯茎に小さな穴を空けて矯正用インプラントを入れるため、治療開始時に麻酔をして手術することが必要です。ただ、1mm程度と小さな穴のため、治療後に痛みや腫れはほとんどありません。「少しでも痛いのは嫌」という方には、麻酔が切れる前に痛み止めを服用して頂いておりますのでご安心ください。

治療中に抜けてしまうこともある

通常のインプラントは、歯の根として使用するので、顎の骨にしっかりとくっつけて長期間使用していく前提のものですが、矯正用インプラントはそうではありません。治療後にスムーズに取れるよう、骨にくっつかないようにしてあるため、治療中に自然に抜けてしまうこともあります。そんなときは再び矯正用インプラントを植立しなおして治療を続行します。

感染症を起こす場合がある

矯正用インプラントの周囲は歯磨きがしづらいもの。しかしきちんと清潔に保っておかなければ感染症を引き起こしてしまう場合もあるため注意が必要です。

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