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おとなの矯正/矯正治療中の喫煙

喫煙中でも矯正治療を受けることはできます。しかし、矯正治療で良い結果を得たいのであれば、禁煙をおすすめします。矯正治療中の喫煙には歯の動きや見た目への悪影響が多いためです。理由も含めて解説していきます。

矯正治療中のタバコ

喫煙習慣がある方でも、矯正治療は受けることができます。

ですが、タバコに含まれる有害物質によって歯の動きが妨げられたり、歯周病のリスクを増加させたりする可能性があることを理解した上で矯正治療をはじめる必要があります。実際、タバコにはニコチン・タール・一酸化炭素をはじめとする200種類以上の有害物質が含まれています。これらの物質は血管の収縮や発がんのリスク増加など、体への悪影響があります。

矯正治療を理由に禁煙をスタートさせるのはそう簡単なことではないですが、治療を受けるならリスクをきちんと理解しておくことが大切です。

タバコによる4つの悪影響

タバコを吸うことによる体への悪い影響はご存じの方も多いと思います。ここでは、矯正治療に関係する4つの悪影響について解説します。

歯の動きが悪くなる

タバコを吸うと血行が悪くなるという話を何となく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

歯が動く仕組み
歯が動く仕組み

矯正治療は、歯槽骨(しそうこつ・歯を支える骨)の骨吸収と骨形成を繰り返すことで歯を動かす仕組みになっています。ワイヤーやマウスピースなどの矯正装置によって歯に力を加えることで、歯を支えている骨がつくりかえられていき、歯が動いていくという仕組みなのです。この仕組みは、傷の修復に近いものがあり、タバコに含まれるニコチンの影響で血流が悪くなると傷の治りが遅れてしまうように、矯正治療で大切な骨をつくりかえるという作業が遅くなってしまうのです。そのため、歯の移動がスムーズに行われなくなる可能性があるのです。

これが原因で矯正治療の期間が長引くことが考えられ、通院費や通院頻度の増加という形で患者さんの負担が増える可能性があります。

矯正治療で歯が動く仕組みについては下記のブログで詳しく解説しています。

装置に着色汚れがつきやすい

ワイヤー矯正
ワイヤー矯正中の喫煙

タバコのヤニは矯正装置につきやすく、強固についてしまうと歯科医院でのクリーニングでも簡単に取り除くことが難しくなってしまいます。
ワイヤー矯正を受けている場合、追加料金を支払って目立ちにくい白いブラケットにしていても、ヤニがついてしまうと、変色してしまう恐れもあります。
また、マウスピース矯正の場合もマウスピース自体にタバコのヤニがついて変色することもあります。

マウスピース矯正の場合は交換するまで、ワイヤー矯正の場合は装置が外されるまで変色したまま過ごさなければなりません。せっかく見た目が目立ちにくい装置を使用しているのに、黄ばんでしまっては見た目の印象が大きく変わってしまいます。

着色
保定装置にも着色はします

矯正治療は長い期間にわたるものなので、清潔感を維持しながら治療を続けていくためにも喫煙は控えるか、ヤニ汚れがすくない電子タバコの使用をおすすめします。

口臭が強くなりやすい

タバコの煙のなかには口臭を増加させる成分が含まれているだけでなく、お口の中を乾燥させてしまう作用もあります。唾液には細菌の繁殖を抑え、食べ物の残りやプラークを洗い流す作用があります。しかし、タバコによってお口が乾燥し、唾液の分泌量が減少すると細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。その結果、口臭を引き起こしてしまうのです。

また、矯正治療中はブラケットやワイヤーなどの装置が歯に装着されているため、通常よりも食べかすやプラークが溜まりやすい状態になります。このような状態で喫煙を続けると、強い口臭が発生するリスクが高まります。

歯周病のリスクが高まる

タバコに含まれるニコチンには血流を悪くさせる性質があります。

歯を支える骨(歯槽骨・しそうこつ)が溶け、歯を失っていくとても厄介な歯周病ですが、タバコを吸うことで発見が遅くなることがあります。原因はタバコにより血管の収縮が引き起こされることで、歯周病の特徴である歯茎の出血や腫れなどの症状が出にくくなるためです。
このような状態が続くと、気づいたときにはすでに歯周病が進行していたということにもなりかねません。

電子タバコの場合

タバコと電子タバコには、次のような違いがあります。

タバコタバコの葉を加工して作られる製品
電子タバコタバコ葉を用いず、一般的にニコチンを含むリキッド(液体)を加熱して、吸入するためのベイパー(蒸気)を発生させ楽しむ製品
タバコと電子タバコの違い

タバコと電子タバコの最大の違いは「たばこ葉の使用の有無」といえます。電子タバコは紙巻きタバコとは異なる製品のため、健康への影響が少ないと考えられがちです。

ですが、お口や全身の健康に与える影響は完全に無害であるとは言いきれません。また、長期的なからだの健康への影響についての研究はまだ不十分であるため、矯正治療中は喫煙習慣を見直し、できるだけ控えることをおすすめします。

まとめ

矯正治療中の喫煙は可能

矯正治療中のタバコは控えたほうが良いですが、治療が受けられないということはありません。

しかし、タバコを吸わない方に比べて歯の動きが悪くなったり、歯周病のリスクが高まったりする可能性があることを把握したうえで治療に臨んだほうが良いといえるでしょう。

旭川公園通り矯正歯科では、矯正治療の初診カウンセリングを行っております。自分は喫煙者だから矯正治療は無理かも…と思っている方でも、矯正治療を受けることは可能ですので、スタッフにご相談ください!

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