医院BLOG

矯正治療で必要なレントゲンまとめ

矯正治療にて必要となるレントゲン写真は、基本的にパノラマレントゲン・側面セファログラム・正面セファログラムの3種類となります。その他に必要に応じて、顎関節(がくかんせつ)、手根骨(しゅこんこつ)のレントゲン撮影する場合もあります。それぞれのレントゲン写真は、どのような目的で撮影し使用されているのか解説します。

レントゲン撮影とは

レントゲン撮影
レントゲンは目で見えない部分をより詳しく確認、診断するのに必要です

レントゲン写真は放射線を利用して撮影されます。

放射線は、不安定な原子核(放射性物質)が安定な状態になろうとするときに出るエネルギーのことで、「アルファ(α)線」「ガンマ(γ)線」「エックス(X)線」などいろいろな種類があります。種類によって物を通りぬける力に差があり、このうちの「エックス線(X線)」を利用してレントゲン写真を撮影しています。

エックス線が照射され体内に入ると、透過して体外に出てくるものと、吸収されるものとに分かれます。 その透過・吸収の差を白から黒の濃淡の変化で表したものがエックス線写真です。 エックス線が透過した部分は黒、吸収された部分は白く表されています。

レントゲンの種類

矯正歯科で撮影されるレントゲン写真には、一般歯科では使用されないようなものもあります。実際の画像とともに解説していきます。

パノラマエックス線写真

パノラマエックス線
パノラマエックス線写真

口の中全体を見るためのレントゲン写真です。1枚の画像に上下の歯列、歯周組織、上顎、下顎などの全体を1度に確認することができます。

口腔内写真など目に見える部分だけでなく、骨のなかに埋まっている歯なども確認することができるため歯を動かすことが主となる矯正治療でも重要な資料となります。

【パノラマエックス線写真で確認できる事項】

歯の本数の過不足・歯根の形成と形態・歯根吸収の程度・歯根膜腔の拡大の有無・歯槽骨吸収の有無・後続永久歯の形成と萌出状況と萌出方向・むし歯の有無・歯根の平行性

側面頭部エックス線規格写真

側面セファログラム
側面セファログラム
セファロ撮影
撮影の様子

側面頭部エックス線規格写真は、90度真横から撮影するレントゲン写真です。側面セファログラムとも言います。一般的な歯科医院にはない、矯正歯科専用の顔の骨格を調べるレントゲン写真です。

また、セファログラムは世界共通の規格写真となっており同年代の平均的な顔立ちの人のデータと比べて評価することができます。矯正治療前の診断、矯正治療中、矯正治療終了後の確認など、同じ規格で撮影したレントゲンを比較しその変化を把握することが出来るので、矯正治療には欠かせないレントゲン写真となります。

【側面頭部エックス線規格写真で確認できる事項】

上顎骨(じょうがくこつ)や下顎骨(かがくこつ)の前後的位置や、上下の歯の位置・傾斜

側面セファロトレース
側面セファロトレース

セファロ分析では、まずはじめに骨や軟組織(なんそしき)のトレースを行います。分析に必要な平面や点をプロットしていきます。そして、点の位置や平面同士の角度などを数値化し、標準的な歯並びの良い人の骨格や歯と比べて、上顎骨・下顎骨の骨の位置が前にあるのか後ろにあるのか、上下の前歯の位置が前にあるのか後ろにあるのか、傾斜が大きいのか小さいのかなどを分析します。矯正治療の計画を立てる上で最も重要となる検査と言っても過言ではありません。

正面頭部エックス線規格写真

正面セファログラム
正面セファログラム
正面セファロトレース
正面セファロトレース

正面頭部エックス線規格写真は、顔の真正面から撮影するレントゲン写真です。正面セファログラムとも呼ばれています。

【正面頭部エックス線規格写真で確認できる事項】

左右対称性・側方交叉咬合・鼻気道閉鎖、鼻中隔湾曲・上下顎骨幅径のバランス・歯列弓幅径のバランス

顎関節レントゲン

顎関節レントゲン
顎関節レントゲン

顎関節(がくかんせつ)のレントゲンです。下顎頭(かがくとう)の位置や形態に問題がないかをするために撮影します。

こちらのレントゲン写真は矯正治療を受けるひと全員が撮影するわけではありません。当院では、外科的矯正治療をおこなう患者さんの検査で撮影することが多いです。下顎を動かしたときの顎関節部の情報を得るために、咬んでいる状態だけでなく最大開口位(さいだいかいこうい=一番大きく口を開けた状態)の撮影を行います。

手根骨レントゲン(ハンドリスト)

ハンドリスト
ハンドリスト

手根骨(しゅこんこつ)のレントゲンです。ハンドリストとも呼びます。骨の成熟度の評価生理的な年齢を測定し、思春期性成長時期の予測などに使用します。

主に、成長途中の子どもが撮影対象となることが多く、残りの成長がどのくらい残っているかによって今後の治療方針が決められることがあります。成長が残っていないと効果の出ない治療方法や、一方で成長が完全に終了していないと開始できない治療方法があるためです。

放射線について

防護エプロン
撮影時は防護エプロンを着用します

患者さんの中にはレントゲン撮影時の放射線が気になる…という方もいらっしゃると思います。ですが、主に歯科で使用されるレントゲンは医科で使用するものと比べても低い放射線量で撮影を行います。歯科では骨や歯などレントゲンに写りやすいものを撮影するので、低い放射線量でも、十分な画像を得られることができるので安全です。

日常生活で自然に浴びる放射線よりも低く、通常の使用においては健康に影響が出るほどの放射線量ではありません。

また診療でも必要以上に撮影することはありませんので安心してください。

レントゲン撮影の頻度

上記で解説したとおり、レントゲン撮影を必要以上に行うことはありません。基本的には、精密検査時・矯正装置の撤去後・矯正装置撤去から1年後・保定装置の撤去後の4回となります。その他、治療の内容によっては矯正治療中に歯の動きなどを確認するために撮影することもあります。

まとめ

矯正治療におけるレントゲン撮影は、そこで得られた情報をもとに患者様一人ひとりにあった治療計画を立案するためにとても重要な項目となります。

BACK TO TOP