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矯正治療/歯並びと口呼吸の関係
「口呼吸を続けていると、歯並び・見た目にも健康にも影響がある」と聞いたことはありませんか?口呼吸の改善方法は、その原因によって異なります。歯並びが影響して口呼吸になってしまう場合は、自力で改善するのは困難です。
口呼吸になる原因と改善方法、矯正治療で治せるケースなどについて解説していきます。
目次
口呼吸が良くない理由
口で呼吸をすることは体にとって良くないことだとわかってはいても、それがなぜ良くないのかまで理解をしている人は多くないかもしれません。
人間は口でも鼻でもどちらでも呼吸をすることができるため、必要な酸素を体内に取り入れることができれば、どちらでも構わないのではないかと考えている人もいるかもしれません。さらに口呼吸は、鼻呼吸に比べると吸い込むときに筋力をあまり必要とせず、楽に空気を取り入れることができます。しかし実際のところは、鼻という器官は呼吸をする器官であり、口は食べ物を取り込む器官として考えられています。つまり口で呼吸をすることは、本来好ましくないとされています。
口呼吸をすることによって、空気中に潜んでいるカビやダニ、ウイルスを次々と体内へ直接取り込んでしまいます。その結果として免疫力の低下を引き起こし、それが及ぼす影響として様々な症状が考えられます。例えば、アトピー性皮膚炎や喘息、胃炎や便秘、風邪やインフルエンザなどが挙げられます。また、自律神経の乱れを引き起こすことも考えられるため、うつ病や倦怠感にも影響があるとされています。
この下で詳しく説明しているように歯並びが悪いことで口呼吸になることもありますが、その逆に慢性的な口呼吸が歯ならびや顎の成長に影響を及ぼすこともあります。すなわち、一度口呼吸の癖がついてしまうと、歯並びが悪くなり、さらに口呼吸がひどくなり…、と悪循環に陥り自然治癒は難しくなってくるのです。
口呼吸になる原因
口呼吸を引き起こしている原因は人によってさまざまですが、原因として多い3つについて解説します。
鼻がつまっている
口呼吸になってしまう原因で、最も多いといわれているものが鼻づまりです。風邪や花粉症などが原因で鼻づまりが起きると、鼻から空気を吸い込むことが難しくなるため必然的に口呼吸になってしまうのです。鼻詰まりが治っても、口呼吸の癖が抜けずにそのまま口呼吸になってしまうケースも考えられます。
また、アレルギー性鼻炎などが原因で日常的に鼻がつまっている方は口呼吸をしている確率が非常に高くなります。アレルギー性鼻炎を治療するには、原因物質を特定する検査を行い、内服薬などを使い治療することができます。
出っ歯や受け口などの歯並び
上顎前突(じょうがくぜんとつ・出っ歯)や下顎前突(かがくぜんとつ・受け口)の歯並びは、口呼吸になりやすいとされています。
上顎前突(じょうがくぜんとつ・出っ歯)は、八重歯(やえば)などの不正咬合についで数の多い不正咬合です。上顎が前に出ている場合だけでなく、下顎の成長不足や上の歯が前方に傾斜している場合が多いといわれています。3歳をこえても指しゃぶりが治らなかった場合や、爪を噛む癖のある場合、口呼吸をしていることなどが原因となることもあります。前に出た歯や舌が上唇を押し出してしまうため、自然と口が開いて口呼吸になってしまうのです。
下顎前突(かがくぜんとつ・受け口)は、下あごが上あごより前にでている状態です。下の歯だけ舌で前に押されることで、下の歯と上の歯の歯列の大きさが合わなくなり、口が閉じにくくなるため口呼吸になってしまいます。
口周りの筋力が弱い
口の周辺にある筋肉の衰えも、口呼吸になる原因のひとつです。口の周りには、口輪筋(こうりんきん)や舌筋などの筋肉があります。口輪筋や舌筋が弱くなってしまう原因は、加齢による衰えや、子どもの頃から口呼吸の癖があることなどです。幼いお子さんは口周りの筋力が未発達でよく口が開いたままになっていますが、成長とともに口周りの筋力が鍛えられ、自然と口を閉じて鼻呼吸ができるようになります。ところが幼い頃の口を開けたままの癖が治らない場合、成人しても口呼吸が続いてしまいます。
口輪筋は、口を開閉したり、唇をすぼめたりするときにつかわれます。口輪筋が衰えると、口周りが緩んで口をきちんと閉じていられなくなるため、口呼吸になってしまうのです。
舌を上に持ち上げるためには「舌筋」という筋肉がつかわれます。本来、正しい舌の位置は上顎にぴったりくっついているものです。しかし舌筋が衰えて舌が下がったり、歯の裏に舌がついたりすると、口が閉じにくくなります。
鼻呼吸への改善方法
呼吸方法が口呼吸から鼻呼吸に変わると、見た目や健康上の面でよい効果があります。
矯正治療で歯並びの改善
口呼吸になる原因で解説した、上顎前突(じょうがくぜんとつ・出っ歯)や下顎前突(かがくぜんとつ・受け口)が原因で口呼吸になっている場合は、矯正治療で歯並びを改善することにより鼻呼吸へと促すことができる可能性があります。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など歯並びやライフスタイルに合わせた装置を選択して、矯正治療を行うことができます。
舌の位置の改善
舌の筋肉が緩み、舌が前歯に触れたり、下あごのほうに落ちることで口呼吸になります。
舌は本来、スポットポジションと呼ばれる、上顎に先端が触れる位置に収まっています。この位置にあることで舌の圧力と両頬の内側の圧力、唇の力などのバランスが取れ、噛む力や噛み合わせが整います。
あいうべ体操
口呼吸の改善におすすめなあいうべ体操は、口を大きく開けて「あ~」「い~」「う~」「べ~」と声に出すだけの簡単なものです。最後の「べ~」ではあかんべをするように舌を思いっきり前に出しましょう。口呼吸の改善だけでなく、顔のたるみやしわの改善にも繋がります。
まとめ
口呼吸になってしまっている原因を知り、改善をおこなうことで将来的な不正咬合への悪化を防ぐことができたり、風邪やアレルギー性鼻炎への対策をすることができます。
歯並びに関するご相談は下記よりお待ちしております。