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こどもの矯正/受け口に用いる上顎前方牽引装置
上の前歯と下の前歯が逆のかみ合わせになっていることを受け口といいます。
子どもの受け口治療では、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)と呼ばれる取り外し式の装置を使用します。この装置は家にいる間のみの使用で、使えば使うほど効果がでるので、なるべく長時間の使用が望まれます。
受け口とは
受け口は、別名 反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突(かがくぜんとつ)とも呼ばれます。


前歯だけが上下逆になっている場合(歯槽性反対咬合)と、下あごの成長が上あごより盛んで下あごの骨が前に出ている場合(骨格性反対咬合)で治療方法が変わってきます。
主に、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)は骨に対してアプローチする方法であり、骨格性反対咬合の場合に使用します。骨格性反対咬合は、放置すると上あごの発育を阻害し上下顎骨のバランスをさらに悪化させることもあるため、劣成長を示す上あごへの成長促進、あるいは過成長を示す下あごへの成長抑制などを行う必要があります。
上顎前方牽引装置(MPA)について
上あごに力をかけて前方に成長させ、同時に下あごの成長を抑制させる装置です。あご先とおでこを支点にして、上あごを引っ張り出します。あごの成長をコントロールして治療できるのは成長途中の段階のみです。すなわち、この治療方法は大人になってからでは行うことができない治療です(成長終了後に顎の位置を変えようと思ったら、外科的矯正治療が必要になります)。

歯の生えている本数や位置によって口のなかで使用する装置が変わります。
患者さんのお口のなかの状況にもよりますが、上の永久歯(前歯)4本がまだ生えそろっていない場合は、「リンガルアーチ」と呼ばれる装置を奥歯に装着し、そこから延ばしたフックに牽引用のゴムをかけていただくことが多いです。
永久歯への生え変わりが進んできて歯にブラケットが装着されていれば、ワイヤーに直接フックをつけて、そこに牽引用のゴムをかけることもあります。

対象年齢
旭川公園通り矯正歯科では主に、小学校入学~残余成長があるとみられる中学生に使用します。
2歳まではかみ合わせに再現性が乏しく、3歳までに変化することがあるため、一般的に乳歯列(にゅうしれつ=すべての歯が子どもの歯の状態)の完成前に治療をはじめる必要はないと考えられています。
3~4歳以降は、永久前歯交換期(えいきゅうぜんしこうかんき=上下の前歯2本ずつが大人の歯へ生え変わる時期)・混合歯列期(こんごうしれつき=子どもの歯と大人の歯が両方生えている時期)なので適切な時期をみながら治療を開始していきます。

混合歯列期は、成長の旺盛な時期であり、顎骨の成長をコントロールするのに適した時期とされています。しかしながら、完全に成長をコントロールすることが難しく、最終的な咬合(こうごう=かみ合わせ)が完成する永久歯列期(えいきゅうしれつき=すべての歯が大人の歯の状態)まで長期的に管理を行う必要があります。
上顎前方牽引装置の使い方
装着の方法
お口のなかに装着された左右のフックにそれぞれ牽引用の輪ゴムをかけ、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)にクロスになるように輪ゴムをかけます。輪ゴムは1日に1回は必ず新しいものにかえてください。

上あごが成長してくると輪ゴムがゆるくなることがありますが、定期的にチェックして輪ゴムのサイズをきつくしていきます。来院時は、必ず上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)をお持ちください。
使用時間はどれくらい?
8~10時間使用することが理想です。おうちにいる時のみ使用するので、学校や外出先で装着する必要はありません。食事・歯磨き・お風呂以外のなるべく長い時間装着することが大切です。テレビをみているとき、宿題をしているときなど使えば使うほど効果のでる装置になります。

就寝時は一番長くつけられる時間なので必ずつけるようにしてください。「うちの子寝相が悪いけど大丈夫?」と心配される保護者の方がたくさんいますが、次の来院時にはみなさんしっかり装着できました!と言っていただける方が大半ですので安心してください。
ー 1日のタイムスケジュール(例)ー
帰宅後: おやつを食べて、歯磨き。その後、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)装着!宿題やテレビ・ゲームなどをして過ごす。
夕食時: 装置を外して、夜ご飯 → お風呂 → 歯磨き。その後、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)を装着し就寝。
起床時: 装置を外して、学校・外出をする。
痛みはある?
ゆるいゴムからはじめていくので、初めから強い力がかかることはなく次第に慣れていくことがほとんどです。痛くて使えない!となる方はほとんどいませんので安心してください。
よくある質問10選
Q1. 上顎前方牽引装置(MPA)はどのような受け口に効果がありますか?
A. 上顎の成長不足が原因となっている受け口(反対咬合)に効果が期待できます。お子さまの成長を利用して上顎を前方へ導くことで、かみ合わせの改善を目指します。
Q2. 上顎前方牽引装置は何歳から始めるのがよいですか?
A. 一般的には6〜10歳頃の混合歯列期に始めることが多く、上顎の成長が活発な時期ほど効果が期待できます。適切な開始時期はお子さまの成長状態によって異なります。
Q3. 受け口の治療は何歳までに相談した方がよいですか?
A. 受け口が気になった時点ではやめの相談がおすすめです。骨格的な問題がある場合、成長期に治療を始めることで将来的な治療負担を軽減できる可能性があります。
Q4. 毎日どれくらい装着する必要がありますか?
A. 一般的には1日8〜10時間程度の装着が推奨されます。学校にいる時間は外し、自宅での時間や就寝中を中心に使用するケースが多くみられます。
Q5. 装着すると痛みはありますか?
A. 装着直後は歯やあごに圧迫感や違和感を覚えることがありますが、多くの場合は数日で慣れます。強い痛みや装置による傷がある場合は歯科医院へご相談ください。
Q6. 上顎前方牽引装置とチンキャップの違いは何ですか?
A. 上顎前方牽引装置は上顎を前方へ成長誘導することを目的としています。一方、チンキャップは下顎の前方成長を抑制する目的で使用される装置です。受け口の原因によって適切な装置は異なります。
Q7. 上顎前方牽引装置だけで治療は終わりますか?
A. 症例によって異なります。成長期の治療でかみ合わせが改善しても、永久歯が生えそろった後に歯並びを整えるための矯正治療が必要になる場合があります。
Q8. 上顎前方牽引装置の治療費用はいくらですか?
A. 費用は歯科医院や治療内容によって異なります。精密検査や経過観察費が別途必要となる場合もあるため、詳しくはカウンセリング時にご確認ください。
Q9. 上顎前方牽引装置は保険適用になりますか?
A. 一般的な小児矯正では自由診療となることが多いですが、厚生労働省が定める特定の先天性疾患などでは保険適用となる場合があります。適用条件については歯科医院へご相談ください。
Q10. 大人になってからでも上顎前方牽引装置は使えますか?
A. 上顎前方牽引装置は成長を利用する治療のため、成人では十分な効果が期待できません。大人の受け口治療ではワイヤー矯正やマウスピース矯正、外科的矯正治療などが検討されます。
まとめ
今回は、成長期の受け口の治療に使用する上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)について解説しました。少しでもお子様の受け口にご不安のある方、本当に受け口の治療が必要なのかどうか、また開始時期のご相談や実際の装置をみてみたい!など、お気軽にお問い合わせください。旭川公園通り矯正歯科では初診カウンセリングにてみなさんの疑問を解決いたします。
