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こどもの矯正/矯正治療の流れを詳しく解説

こどもの歯の矯正治療は、歯が生え変わりはじめたタイミングで一度カウンセリングを受けることをおすすめします。生え変わってきた永久歯の状態や顎の状態によって、矯正治療の開始のタイミングが異なるためです。

矯正治療をはじめるタイミング

こどもの矯正治療(小児矯正とも呼ばれます)では、乳歯と永久歯が生え変わる「混合歯列期」に行う一期治療と、永久歯に生え変わってから行う二期治療に段階分けをして治療が進められていきます。

一期治療では、将来永久歯が並ぶのに必要なスペースを確保したり、骨格の不調和に対して成長のコントロールを行うことなどが治療目標になることが多いです。いわば、土台作りの意味合いが大きくなります。一方で、二期治療ではすべての永久歯を対象にします。二期治療は成人矯正と同じ手法で治療を行っていきます。

こどもの矯正治療の目的やそれぞれの歯並びの治療開始時期の目安などはこちらのブログで詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

こどもの矯正治療の流れ

こどもの矯正治療の流れについてひとつずつ解説していきます。

カウンセリング

歯並びや口もと、かみ合わせに関するご不安や治療期間や料金・支払方法などの疑問を抱えた患者さんのお悩みを解消していただくために、まずは初診カウンセリングを受けていただいています。

カウンセリングは個室のカウンセリングルームを使用して、以下のステップで進められます。

問診
歯科衛生士より事前にご記入いただいた問診票を確認しながら、歯並びに関する悩みなどをひとつずつ確認する作業を行っていきます。

② 歯並び・かみ合わせの確認
歯科医師と歯科衛生士が、お口の中やあごの形をみて現在の歯並びやかみ合わせの状態などを確認します。必要に応じてレントゲン撮影を行うこともあります。これにより今の状態をより詳しく把握することができます。

③ 矯正治療についての説明
歯科衛生士より矯正治療とは一体どういう治療なのか、さまざまなパターンの症例をみながらおおまかなイメージを掴んでいただきます。

④ 考えられる治療法についての説明
歯科医師より、現在の歯並びやかみ合わせの問題点をもとに、矯正治療の必要性や予想される治療期間、矯正装置の種類などの当院で提供できる治療オプションついて詳しく説明します。

⑤ 矯正治療の流れと費用の説明
歯科衛生士より、矯正治療の流れや費用、お支払い方法などについて説明します。説明後は、一度持ち帰って矯正治療をはじめるかどうかを検討してもいいですし、そのまま当日精密検査に進んでいただくことも可能です。

(観察期間)

カウンセリング後、歯並びの状態などからまだ矯正治療をはじめるには早いと歯科医師より判断された場合は観察期間とよばれる段階に進みます。状況により期間はさまざまですが、半年~1年後に再度来院していただきお口の状態を確認し、矯正治療の開始に適切な時期をお伝えします。

精密検査

カウンセリング後、矯正治療を始める前に必ず行うのが精密検査です。現在のお口の状態を把握し、今後の治療方針を決めるうえで非常に重要となります。

口腔内写真撮影
レントゲン撮影
口腔内スキャン
顔面写真撮影

精密検査は主に4つの項目にわかれており、それぞれが適切な矯正治療を行うための診断に非常に重要な項目となります。詳しくは下記ブログをご覧ください。

診断

精密検査のつぎは、矯正歯科医による診断(しんだん=分析の結果や今後の治療計画のお話)となります。精密検査から診断までは約1か月ほど時間をいただき、精密検査で得たデータを分析し歯科医師が治療計画を作成していきます。診断時に、詳しい治療についてのお話や(装置に選択肢がある場合は)装置の選択、治療費のお支払い方法を決定していきます。

このとき、複数の治療計画が立案された場合はどの治療方法で行っていくのかを患者さんとそのご家族に決めていただく「インフォームド・チョイス」を実施しています。

治療方針・使用する矯正装置・お支払方法すべて決定した段階で、同意書の説明へと進んでいきます。そのため、診断時には印鑑を忘れずにお持ちください。

一期治療

混合歯列期(こんごうしれつき)と呼ばれる6歳~12歳頃の乳歯と永久歯が混ざって生えている時期に行う矯正治療です。

上の前歯に装置をつけたイメージ
受け口の治療に用いる装置(上顎前方牽引装置)

子どもの矯正治療は混合歯列期のこの時期からスタートします。部分的に矯正装置を装着し、混合歯列期の時点でみられる問題を解決していきます。この時期は、顎骨の成長コントロールを行うことができるため、上顎前突(じょうがくぜんとつ=出っ歯)や下顎前突・反対咬合(かがくぜんとつ=受け口)などの骨格性の異常に対する治療が大きな治療目標になることが多いです。この時期にある程度、骨格に対する治療や永久歯の並ぶすき間の確保などを行うことができると、二期治療・永久歯列期での治療の幅が広がります

治療期間は、1年~1年半ほどが目安となり、4~6週間に一度の来院が必要となります。

観察

一期治療での目標達成後は、観察期間に入ります。一期治療終了時には、まだ混合歯列期の段階である場合が多く、すべての歯が永久歯に生え変わり、成長がある程度落ち着くまで待つ必要があるからです。

観察期間終了の目安には個人差や男女差があります

観察期間は、一期治療終了からすべての歯が永久歯に生え変わりある程度成長が落ち着くまでとなるため個人差や男女差が多少ありますが、小学6年生~高校生頃までが目安となります。その間の通院は、半年~1年に一度となります。

再検査

観察期間が終了した段階で、再度精密検査を行います。

再診断

精密検査の結果をお伝えし、一期治療で矯正治療を終了とするのか、本格矯正治療である二期治療へと移行するのかを歯科医師・お子様・保護者で話し合いながら検討していきます。

一期治療からスタートした場合は、二期治療に進むかどうか関係なく再診断まで通院していただき結果をお伝えするまでがひとつのゴールとなります。

再診断後の二期治療のスタートは、緊急性や治療の内容にもよりますが、再診断後すぐに開始せず期間をあけてから行うことも可能です。受験や進学の時期と重なる場合もありますので、患者さん本人とよく話し合って決めていただくことがお勧めです。

二期治療

永久歯列期とよばれる12歳頃~すべての歯が永久歯に生え変わった時期の治療です。

人間は上下28本(親知らずを含めると32本)の歯が生えてきます。永久歯列になってからの治療は、すべての歯に矯正装置を装着し治療を行うため「本格矯正治療」とも呼ばれます。成長期が過ぎていることが多く、すべての永久歯が萌出しているため、治療の目標や問題点を明確にすることができます。成長度合いによって治療内容が左右される混合歯列期とは異なり的確な治療計画を立てたり、治療後の予想も立てやすくなります。

しかし、骨格性の異常(出っ歯や受け口)の程度が大きい場合、すでに成長のコントロールを行うことができない時期であるため、この問題を解決するためには手術を伴う外科的矯正治療が必要になることもあります。

治療期間は、1年半~2年ほどが目安となり、4~6週間に一度の来院が必要となります。

こどもの矯正治療での注意点

子どものうちから矯正治療をはじめた場合、一期治療・二期治療を含めると治療が長期化します。そのため、治療をうける子どもたち自身や保護者の方が矯正治療自体に疲れを感じてしまったり、モチベーションが下がってしまうケースがあります。また、子ども本人が歯並びをなおしたいという意識がないと、「なんのために装置をつけているのか?」などという疑問が生じ、治療を積極的に受けてくれなかったり装置の使用をさぼってしまったりするケースもあります。

歯並びをなおしてあげたいという保護者の方の気持ち歯並びをなおしたいという子ども本人の気持ちが同じレベルにあると、矯正治療はスムーズに進みやすくなります。

まとめ

子どもの矯正治療は適切な開始時期を見極め、必要な治療を行うことができるかどうかが将来の歯並びに大きく関わってきます。

旭川公園通り矯正歯科では初診カウンセリングを実施しています。みなさまのご来院をお待ちしております。

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