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おとなの矯正/受け口・反対咬合・下顎前突の特徴と治療方法

「受け口」と呼ばれるかみ合わせは、歯並びや見た目が気になるなどの問題だけでなく、発音や食事、将来の口腔機能にも影響を及ぼすことがあります。子どものうちに気づいて治療するケースも多いのですが、成長が終わったおとなの受け口・反対咬合・下顎前突の矯正治療は、外科手術を併用して行うこともあります。

受け口とは?

受け口の歯並び

受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことを指します。専門用語では反対咬合(はんたいこうごう)と呼びます。また、歯だけでなく下あごが上あごより前に出ている状態を下顎前突(かがくぜんとつ)と呼びます。

主な特徴

  • 真横から見たときに下あごが前に出ているように見える
  • 発音がしにくい(特にサ行・タ行)
  • 食べ物を前歯でかみ切りにくい
  • 顎関節や歯への負担が大きく、将来的にトラブルを起こすことがある

単純に「見た目が気になるから」という理由だけではなく、かみ合わせや発音など機能的な問題も大きいため、矯正治療を希望される方が多い歯並びです。

おとなの受け口治療の特徴

大人と子どもの矯正治療では、アプローチの仕方が大きく異なります。また、前歯だけが上下逆になっている場合(歯槽性反対咬合)と、下あごの成長が上あごより盛んで下あごの骨が前に出ている場合(骨格性反対咬合)で治療方法が変わってきます。

  • 子どもの場合:成長を利用してあごの位置や大きさをコントロールできる
  • 大人の場合:骨の成長が完了しているため、基本的には「歯の位置」「骨の位置」を動かす治療が中心になる

そのため、大人の受け口矯正では以下のような治療方法が選択されます。

おとなの受け口の主な治療方法

1. 矯正装置のみによる歯の移動

マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)
マウスピース型矯正装置
マウスピース型矯正装置

もっとも一般的な方法は、矯正装置を使って上下の歯を正しい位置に動かす治療です。骨の位置は正常で、前歯だけが上下逆になっている場合(歯槽性反対咬合)に効果的です。

使用される装置
  • マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)
     歯に直接ブラケットとよばれる器具を装着し、ワイヤーを使用して歯の移動を行うもの。取り外し不可
  • マウスピース型矯正(インビザラインなど)
     上下透明なマウスピースを使用し、マウスピースの交換によって歯の移動を行うもの。取り外し可能
ポイント
  • 歯を前後に移動させることで、かみ合わせを整える
  • 歯の傾斜を変えるだけでなく、必要に応じて抜歯を行いスペースを確保する

2. 外科手術を併用する治療(外科的矯正治療)

外科的矯正治療の治療前後の比較例

下あご自体が大きく前に出ている場合や、骨格の差が大きい場合は、外科手術(外科的矯正治療)が必要になることもあります。

おおまかな治療の流れ
  1. 矯正装置を使って歯並びを整える(術前矯正・矯正歯科)
  2. 顎の骨を切り、位置を調整する手術を行う(顎矯正手術・口腔外科)
  3. 術後に再度、矯正治療で微調整を行う(術後矯正・矯正歯科)
特徴
  • 骨格的な問題を根本から改善できる
  • 見た目の変化が大きく、横顔やフェイスラインも改善することが多い
  • 健康保険の適用

外科的矯正治療については下記の記事にて詳しく解説しています。

治療期間と費用の目安

  • 矯正装置のみ:1.5〜3年程度
  • 外科的矯正:2〜3年(手術含む)、費用は矯正費用+手術費用(いずれも健康保険適用)

治療期間や料金は、治療の難易度や選ぶ装置によって大きく異なります。矯正治療のみの場合の料金は、下記のページをご覧ください。

おとなが受け口を治すメリット

  1. 見た目の改善
     横顔や笑顔が自然になり、自信につながります。
  2. 発音の改善
     サ行・タ行の発音がクリアになりやすいです。
  3. 食事がしやすくなる
     前歯で食べ物をかみ切れるようになる。
  4. 将来的なトラブル予防
     歯の摩耗や顎関節症、歯周病のリスクを減らせます。

おとなの受け口治療の注意点

  • 治療期間が長くかかる場合がある
  • 一時的に見た目が気になる時期(装置が目立つなど)がある
  • 外科手術を伴う場合は、入院・全身麻酔が必要
  • 矯正治療後も保定装置(リテーナー)で歯の位置を安定させる必要がある

まとめ

受け口(反対咬合)は、見た目の問題だけでなく、発音や咀嚼、将来的な歯の健康にも影響するため、放置せずに矯正治療を検討することが大切です。

おとなでも矯正治療によって改善できるケースは多く、骨格に問題がなければ目立ちにくいマウスピース矯正で治療することもできます。また、骨格的な問題が大きい場合は外科手術を組み合わせることで根本かの改善が期待できます。

「もう大人だから矯正は難しいのでは」と思っている方でも、実際には治療の選択肢が広がっており、自分に合った方法を選ぶことができます。まずは専門医でしっかり診断を受け、治療計画を立てることが第一歩です。

旭川公園通り矯正歯科では、24時間オンライン予約が可能です。

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