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矯正治療後は後戻りする??

結論からお伝えすると、必ずしも後戻りがおこるわけではありませんが矯正治療で治した歯並びは永久的なものではありません。後戻りの原因は、日常生活における様々な癖や親知らず、加齢的変化などが考えられています。舌癖(舌を歯で押したりする癖)や頬杖、指しゃぶり、食いしばり、歯ぎしり、唇を咬む癖などの悪習癖は綺麗な歯並びを壊す原因となります。また、虫歯や歯周病によって歯や歯を支える骨が吸収した状態や、矯正治療が終了したばかりの状態は、歯が骨に完全に固定されていないため、後戻りが起こりやすいと考えられています。

今回は、患者様にもよく聞かれる矯正治療後の後戻りについて書いていこうと思います!!

歯が綺麗に並んだら矯正治療は終わり?

矯正治療は動的治療(歯を動かす治療)だけで終了だと思っていませんか?

当院でも、患者様に「次回いよいよ装置が外れるので、新たに保定装置を作製するための型をとりますね!」とお伝えすると「え?これで終わりじゃないんですか?!」と驚かれることが少なくありません。もちろん、初診時に動的治療終了後は必ず保定期間がありその間は保定装置(リテーナー)の装着が必要なことはお伝えしていますが、歯が綺麗に並んでくると『動的治療が終わる!!!』という解放感と安心感が大きくなり保定期間のことを忘れてしまいますよね☺!そのため、当院では装置が外れる1か月前の治療の際に、保定期間と保定装置について患者様にご説明しご理解していただきやすいように下のような用紙をお渡ししております。矯正装置を外す流れや、保定装置・取り扱いや注意点などについて書いてありますので、ご不明な点があればスタッフにお声がけ下さい。

旭川公園通り矯正歯科
旭川公園通り矯正歯科

後戻りはどうして起こる?

みなさんは『後戻り』という言葉をご存じですか?動的治療直後は、歯と骨が完全に固まっていないため並べた歯は元の位置に戻ろうとする働きがあります。これを『後戻り』といいます。

歯ぐきの中には、歯と歯をつなぐようにまた歯と骨をつなぐように歯周線維(ししゅうせんい)というゴムのような繊維があります。矯正治療によって伸ばされた歯周線維はゴムのように戻ろうとしますので、矯正装置を外した後リテーナーを使用しないと歯を治療前の状態に戻そうとしてしまうのです。矯正治療未経験者でも歯並びは、加齢的変化や口内環境と生活習慣の積み重ねで少しずつ変化していきます。後戻りする主な原因としては下記のことが考えられています。

リテーナーの不使用

上でもご説明したように、矯正治療後はしっかり保定装置をしなければ後戻りの原因になってしまいます。

歯周病の進行

歯周組織(歯の周囲の組織)の状態が変化すると歯は動きやすくなってしまい、加齢や歯周病により骨や歯茎が下がってくると歯は力がかかる方向に動いてしまいます。歯周組織の健康を保つためにも日常の歯ブラシが大切になります。

歯ぎしり、舌癖、口呼吸などの悪習癖

舌で前歯を押す癖や口呼吸の癖がある方は後戻りしやすい傾向にあります。ただこれらの癖がある方に対して当院ではMFT(口腔筋機能療法)という訓練を矯正治療開始時と同時に行い、矯正終了までに改善を目指すことが多いです。

保定期間の重要性

歯は骨と直接くっついているわけではありません。骨と歯根(歯の根っ子)の間には、0.2mm程のわずかなすき間がありそこにある歯根膜(しこんまく)という線維性の組織でつながっています。歯が動く時は周囲の骨の吸収と再生の繰り返しによって骨の上を歯が移動します。歯が動いている時は骨の吸収によって骨と歯根の隙間がひろがるため、歯の動揺(歯がグラグラすること)が起きます。動的治療が終了した時はまだこの状態が続いていますので、歯がグラグラして動きやすい状態です。そのため保定装置を装着せず、そのまま放置してしまうとせっかく綺麗になった歯並びが元に戻る『後戻り』を起こして しまいます。

矯正 後戻り
後戻りの原理

このような理由から必ず、最低2年間は保定装置を装着し歯並びを安定させる期間が必要になります。これを『保定期間』といいます。 特に装置を外した直後1年間は、最も歯が動きやすく非常に後戻りが起きやすい時期とされています。後戻りを防止するためのリテーナー(保定装置)の使用は非常に重要です

綺麗な歯並びを安定させるためにはリテーナー(保定装置)を使用します。 保定装置を使用中の2年間は、3~4か月に一度来院していただきメンテナンスをしていきます。保定期間になるとワイヤーの装置で動的治療をした方は、毎月の来院から数か月に1度の来院になるので来院頻度が減り、ご負担が少なくなりなりますね!

保定装置の種類

当院でご用意している保定装置は主に4種類あります。それぞれタイプが異なり、用途により歯科医師が選択するので患者様が選択することは出来ません。

取り外し式の保定装置

ソフトリテーナー、プレートタイプリテーナー

全体を覆うタイプの保定装置で取り外しが可能です。

フェーズワンリテーナー

Ⅰ期治療後、前歯を固定しながら側方歯が萌出するスペースを確保するものでこちらも取り外しが可能です。

固定式の保定装置

フィックスリテーナー

下の歯は裏側に針金を貼りつけて歯が動かないように固定します。

リンガルアーチ

Ⅰ期治療後、治療した前歯の固定と側方歯が萌出するスペースを確保するため使用します。

フィックスリテーナー リンガルアーチ
フィックスリテーナー リンガルアーチ

保定装置の取り扱いと注意事項

使用時間

基本的に1日中(24時間)使用です。お食事やブラッシングの時以外は装着し、飲み物に関しては水のみ装着したまま飲めます。お茶やコーヒーは着色、ジュースは虫歯の原因になるので外して飲むようにしてください。不使用の時間が長ければ長いほど、後戻りのリスクが上がります。しっかり使用しましょう!!

メンテナンス方法

着脱可能な装置は外した時に、水を流し歯ブラシでこすり洗いして下さい。固定式の装置は、しっかりブラッシングして下さい。固定式の装置が外れた場合は破棄せず当院にご連絡後、受診の際には外れた装置をご持参下さい。

注意事項

取り外し式の保定装置は以下の事に注意が必要です(ティッシュにくるんで誤って破棄してしまうケースが非常に多いため)。

熱湯をかけると変形してしまうため、必ず水かぬるま湯で洗浄して下さい。

歯磨き粉は中に研磨剤がはいってるため、使用しないで下さい。

入れ歯洗浄剤は装置が錆びてしまうため、洗浄剤は保定装置専用のものをご使用下さい。

まとめ

保定装置は必ず歯科医師の指示に従って使用して下さい。Ⅱ期治療(成人の治療)の場合は最低でも2年間使用していただきます。Ⅰ期治療(子供の治療)の場合は永久歯が全てはえそろうまではメンテナンスで来院していただきます。メンテナンスの際は、保定装置を必ずご持参ください。歯並びの安定と装置の適合を毎回確認致します。保定装置を紛失した・破損してしまった場合は装置の再作成に費用がかかりますのでご了承ください。何かお困りのことがありましたら、ご連絡ください☺

保定装置
保定装置

後戻りしたらどうする?

当院では、2年間しっかり保定装置を使用し定期的なメンテナンスに来ていただいた方は、その後2年間は保証期間となります。後戻りが起きた場合、保証期間内であれば1度に限り再治療の矯正装置料は無料とさせていただいております(毎月の処置料金はかかります) 。

矯正 保証期間
矯正 保証期間

最後に

今回は保定装置・保定期間について書いてみました。矯正治療中の方も、これから矯正治療をご検討している方も、保定期間の必要性についてご理解いただけたでしょうか☺?装置が外れた後はまだ2年間も違う装置をつけなければいけないのかとがっかりする方も多いと思いますが、今回のブログで動的治療後の保定期間がいかに大切かご理解いただけたら幸いです。せっかくお時間とお金をかけて治した歯並びを無駄にしないようにしっかりメンテナンスしていきましょう!!

旭川公園通り矯正歯科
旭川公園通り矯正歯科

              初診カウンセリングはこちらからご予約可能です。

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