- カテゴリーなし
矯正治療/ブラケットの使用目的
矯正治療におけるブラケットとは、歯の移動を促すために用いられる装置の一つです。 一般的に歯の表面ひとつずつに歯科用接着剤で装着し、ワイヤーを通して歯に力を加えることで歯を正しい位置に動かす役割を果たす矯正装置のひとつです。
目次
ブラケットとは
ブラケットとは、矯正治療で歯を移動する際に、アーチワイヤーを維持するための付加装置です。歯の表面に直接装着したり、バンドに付着させて使用されます。
ブラケット中央には水平方向にアーチワイヤーを装着するブラケットスロットと呼ばれる溝があり、その上下にはアーチワイヤーをブラケットに結紮するためのウイングと呼ばれる溝が存在します。
材質には、ステンレススチール、ニッケルクロム合金、セラミックスやプラスチックなどが使用されています。スーパーボンドと呼ばれる歯科用接着剤を使用し歯に接着していきます。ブラケットは主に、臼歯を除いた歯の歯冠部中央に簡単に接着できますが、ブラケットを正確な位置に装着することが重要になります。
ブラケットの使用目的
ブラケットの使用目的は主に以下の3つがあげられます。
歯の移動と調整
ブラケットは歯に取り付けられ、ワイヤーと共に歯を移動させる役割を果たします。ブラケットに取り付けられたワイヤーが歯に圧力をかけ、歯の位置を調整します。このプロセスによって、歯並びや咬み合わせを改善することが可能です。
歯の回転や傾きの調整
歯並びを改善していくにあたって、歯の回転や傾きを修正する必要がでてくることがあります。
ブラケットの装着位置や角度などを調整してワイヤーを通すことで、歯を動かしたい適切な方向に誘導し、歯の傾きや回転を調整することができます。
かみ合わせの調整
ブラケットとワイヤーの組み合わせによって、上下の歯の咬み合わせを調整し、適切な咬み合わせを実現します。
メリット・デメリット
ブラケットを使用するにあたってのメリットとデメリットは以下のようなものがあげられます。
メリット
① あらゆる症例に対応することができる
ブラケットを使用するワイヤー矯正では、抜歯・非抜歯関係なく、どれだけデコボコが強くてもかみ合わせのズレがあっても対応できる場合がほとんどです。歴史が長くある程度の治療法が確立しているため、治療期間の短縮が見込めたり、安心して治療を受けることができます。
② 歯科医院が主体となって治療を行う
マルチブラケット装置は歯に接着されているため治療に当たるワイヤー交換は歯科医師や歯科衛生士が行います。そのため、きちんと通院さえしていれば、治療は比較的順調に進み普段は歯磨きをがんばるだけで良いです。
専用のマウスピースを使用して行うマウスピース矯正の場合は、治療に当たるマウスピースの交換を患者さん自身で行う必要があり、使用時間や取扱いによって治療の進み具合が大きく左右されます。
③ 料金が抑えられる
オーダーメイドが必要なマウスピース矯正や裏側矯正と違って、表側に装着するブラケットの場合は既製品の装置の装着となるため矯正装置のなかで最も費用を抑えることができます。
デメリット
① 痛みを感じやすい
個人差はありますが、ブラケットを装着した日から、2~3日から1週間程度は痛みを感じやすいとされています。また、ブラケットを装着したときだけでなく、ワイヤーを交換するたびに痛みを伴います。なお、この痛みは徐々に引いていきます。さらに、ブラケットなどの装置に口腔内が慣れるまではブラケットが頬の裏や唇にあたり、口内炎ができる場合があります。
痛みが強く日常生活に支障が出る場合は市販の痛み止めの服用を、口内炎が痛い場合は歯科用ワックスなどを使用し対応します。
② むし歯になりやすい
ブラケットやアーチワイヤーが歯に装着されることによって、歯が磨きにくい影となる部分が増えます。そのため食べカスが溜まりやすくなったり歯ブラシが当たりにくくなっていまいます。歯科医院でのクリーニングとは別に、毎日の適切なブラッシングが非常に重要といえます。
矯正用の歯ブラシや各種補助清掃用具を使用し、むし歯のない状態で矯正治療を進めていきましょう。
ブラケットの種類
旭川公園通り矯正歯科で使用されているブラケットは以下の4種類になります。
メタルブラケット
金属色のものを使用します。見た目は気にならない、安価に治療を受けたいという方にオススメです。
クリアブラケット
ブラケットが透明で目立ちにくくなります。あまり料金をかけずに、目立ちにくい装置をご希望の方にオススメです。
セラミックブラケット
クリアブラケットよりもさらに目立ちにくいブラケットです。
リンガルブラケット
リンガルブラケットは歯の裏側に取り付けられるため、外見に影響を与えずに矯正治療を行えます。取り外しの手間がなく審美性もよいですが、歯の裏側に装着されるため、違和感が強かったり口内炎ができやすい、しゃべりにくいなどのデメリットも多くなります。
ブラケット装着の流れ
①歯面研磨
装置を装着する予定の歯を機械で磨いていきます。プラーク(歯垢)や歯石などがついていないきれいな歯の状態で装置を装着するためです。
②アングルワイダーの装着
唇が歯に当たらないようにするためにアングルワイダーとよばれる器具をつけていきます。さらにブラケットをつける部分を乾燥させるためにエアー(風)をかけて歯が乾いた状態にします。
③エッチング・プライマー処理
歯面へのブラケットの接着のための前処理としてエッチングを行います。エナメル質表面を酸処理することで接着効果を高めることができます。20秒後、水で洗い流し再びエアーをかけて乾燥させます。
④装着
ブラケット本体にスーパーボンドとよばれる歯科用接着剤をつけ、歯科医師が歯に直接接着していきます。簡便さから広く行われていますが、ブラケットの正確な位置決めはむずかしいです。すべてのブラケットが装着後、5分間接着剤が固まるまで待てば、装着完了です!