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矯正治療中の正しい歯磨きの方法
矯正治療をはじめると、歯並びはどんどんきれいになっていきますが矯正装置のまわりに磨き残しができやすく「虫歯」や「歯周病」のリスクが高まる時期でもあります。ワイヤー矯正・マウスピース矯正それぞれの歯磨きのポイントを解説します。
目次
磨き残しを防ぐための2つのポイント
ワイヤー矯正(表・裏)・マウスピース矯正ともに共通する歯磨きのポイントは主に二つです。
磨く時間は10分を目安に

ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーのしたなどの装置周辺に食べかすなどの汚れが溜まりやすくなります。磨く時間は10分を目安にし、鏡を見ながら1本ずつ丁寧に磨くようにしましょう。
鏡を手元に。ながら磨きはNG

テレビやスマホを眺めながらでは、矯正装置の周りの汚れに気づくことができません。鏡をみながらしっかりと意識を集中させて磨くのがポイントです。
ワイヤー矯正のポイント

ワイヤー矯正では標準ブラッシング+αで磨く必要があります。
矯正装置の段差や凹凸が多いため、通常のブラッシングに加え、細かいケアが必要となります。
ブラッシング基本ステップ
- 45° にブラケットの上下から当てる
- 一本ずつ小刻み回転させて磨く
- ワイヤー下や歯茎ギリギリも忘れずに

手順
1:ブラケットを境にして、まずは上側を磨きます。歯ブラシの毛先が装置に対して45度で当たるように意識してください。1~2歯ずつ、歯ブラシを小さく細かく動かしていきます。
2:下側も同様に磨きます。一度に磨こうとせず丁寧に磨きましょう。
3:奥歯のバンド横にはチューブとよばれるフックがついています。汚れがたまりやすいポイントです。よく磨いてください。
4:歯間ブラシを使って、ブラケットの両サイドとワイヤーと歯の間を磨きます。ただ間に通すのではなく、ブラケットをこするようにしっかりとブラシを当ててください。
5:上の歯は上から下に、下の歯は下から上に通してください。※歯間ブラシの先が歯茎にあたると傷になる場合があります。
6:装置のついていない歯の裏側や乳歯もしっかりと鏡を見て、歯ブラシの毛先が歯に当たっているか確認しながら磨いてください。
補助グッズでピンポイント清掃
- タフトブラシ:ワイヤー下や奥歯などの狭い部分に最適
- 歯間ブラシ:ワイヤーの下にくぐらせて隅々までケア
- ジェットウォッシャー(水流洗浄器):装置の周りの食べかすの洗い流しに便利
マウスピース矯正のポイント

マウスピース矯正は、マウスピースを外して歯を磨くことができるためワイヤー矯正と比べて手軽に磨けるように見えますが、実は「歯−マウスピース」の間で細菌が大繁殖するリスクあり。以下の点が重要です。
- アタッチメント(突起)周辺も念入りに
- 標準ブラシ₊αで磨く(タフトブラシ7・フロスがオススメ)
- 食後、マウスピース装着前に必ず歯磨きをしないと、マウスピース内で細菌が増加→むし歯につながります
とくに、マウスピースでの治療中はIPRという歯の側面を数ミリ削りすき間をつくる処置をすることが多くあります。そのすき間には食べ物が挟まりやすくなり、挟まったままマウスピースを装着してしまうとむし歯のリスクがとても上がってしまいます。フロスを使用して、歯と歯の間までしっかりと磨くことが大切です。
電動歯ブラシは使用できる?
ワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに電動歯ブラシの使用は可能です。
- 圧センサー付き・2分間タイマー搭載モデルがおすすめ
- 無理な力をかけず、毛先で優しく撫でるように動かしましょう
- 小さなヘッドでワイヤーやブラケットを避けながら磨くのがポイントです
歯磨き粉・洗口剤の選び方

- 泡立ち控えめのジェルタイプがブラケット周りの視認性向上に◎
- 研磨剤不使用or低研磨タイプを選ぶとエナメル質への負担を抑えられます
- フッ素配合なら虫歯予防効果あり、洗口液で細菌対策を補強すると安心
外出時・昼食後のケア方法

外食や職場・学校などで食後、すぐに歯磨きができない場面でも、以下の対処を意識しておくとむし歯のリスクを下げることができ効果的です。
- 歯磨きシート/フレッシュシート で汚れをふき取る
- ぶくぶくうがい(最低10秒程度)で食べかすを洗い流す
- 歯間ブラシorデンタルフロスで部分清掃
よくある質問Q&A

Q1. 手磨きだけでも大丈夫?
A:手磨きでも丁寧に10分以上磨けばOKですが、電動歯ブラシ併用で品質・効率アップが期待できます 。
Q2. 歯間ブラシやタフトブラシは毎日必要?
A:必要です。歯面の40%はブラシが届かないため、タフトブラシや歯間ブラシで補うことでブラケット周りのむし歯予防に効果的です 。
Q3. 歯磨き粉はどれが良い?
A:泡立ち控えめ・研磨剤低、フッ素配合がオススメです。刺激控えめなものを選びましょう 。
Q4. どうして鏡が必要?
A:装置のデコボコで手探りでは磨きのこしが起こりやすいためです。
まとめ
矯正治療中の歯磨きは、装置がついていない状態に比べてより丁寧で長時間・多様なツールを必要とします。
- 10分をめどに鏡を見てブラッシング
- ワイヤー矯正:45°角度+タフト+フロス・歯間ブラシ
- マウスピース矯正:装着前に必ず歯磨き+フロス
- 電動歯ブラシ:圧センサー&小ヘッドがベター
- 歯磨き粉:泡立ち控えめ、低研磨、フッ素入り
- 災害時ケア:うがい・歯間ケア・携帯グッズ
