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外科的矯正治療/顎矯正手術後に気を付けるべきポイント
「噛み合わせが大きくずれている」「顎が前に出ている、あるいは引っ込んでいる」「見た目と機能の両方を改善したい」このようなお悩みを改善する治療の一つが、“顎矯正手術(外科的矯正治療)”です。
顎矯正手術は、歯並びだけでは改善が難しい骨格的な問題に対して行う治療であり、矯正治療と外科手術を組み合わせて行います。しかし、手術後には腫れや食事制限などがあるため、「どんなことに気を付ければいいの?」「仕事や学校にはいつ戻れる?」と不安を感じる方も少なくありません。
今回は、顎矯正手術の概要から、術後に気を付けるポイント、さらに患者さんからよくいただく質問まで詳しく解説します。
顎矯正手術とは?
顎矯正手術(外科的矯正治療)とは、上下の顎の骨の位置やバランスを整えるために行う手術です。
通常の歯列矯正では歯を動かして噛み合わせを整えますが、骨格自体に大きなズレがある場合は、歯だけでは改善が難しいケースがあります。


代表的な症状としては、
- 受け口(反対咬合)
- 出っ歯(上顎前突)
- 顔の左右差(顎偏位)
- 開咬(前歯が噛み合わない)
- 顎が小さい、または大きい
などが挙げられます。
こうした症状に対して、矯正治療(矯正歯科)と外科手術(口腔外科)を組み合わせることで、見た目だけでなく噛む・話す・飲み込むといった機能面の改善も目指します。
顎矯正手術の流れ

①術前矯正
まずは手術前に歯並びを整える「術前矯正」を行います。期間は個人差がありますが、一般的には1〜2年程度です。
手術を行いやすい状態に歯を並べるため、一時的に噛みにくく感じることがあります。
②顎矯正手術
手術は全身麻酔で行われ、入院が必要になります。手術内容や入院先によって異なりますが、一般的な入院期間は7〜14日程度です。

代表的な術式には、
- 下顎骨切り術
- 上顎骨切り術
- 上下顎同時手術
などがあります。
口の中から手術を行うことが多いため、顔の表面に大きな傷が残ることはほとんどありません。
③術後矯正
手術後は、噛み合わせをさらに細かく調整するための矯正治療を行います。期間は半年〜1年程度が一般的です。
最終的に保定装置(リテーナー)を使用し、歯並びを安定させていきます。
顎矯正手術後に気を付けるべきポイント
腫れや内出血は自然な反応
手術後は、顎周辺が大きく腫れることがあります。特に術後2〜3日がピークで、その後徐々に落ち着いていきます。また、頬や首に内出血が出ることもありますが、多くの場合は2〜3週間ほどで改善します。術後すぐは無理をせず、安静に過ごすことが大切です。
術後の「顎間ゴム」はとても重要

顎矯正手術後には、「顎間ゴム(がっかんゴム)」を使用します。顎間ゴムとは、上下の矯正装置に小さなゴムをかけることで、噛み合わせを安定させるために行う処置です。
手術によって顎の位置を整えても、術後すぐは噛み合わせが不安定な状態です。そのため、顎間ゴムを使用して上下の歯や顎の位置を適切に誘導し、安定した噛み合わせへと導いていきます。
使用期間やゴムをかける位置は患者さまによって異なりますが、医師の指示通りに使用することが非常に大切です。「ゴムをかけるのが面倒」「少しだから大丈夫」と自己判断で使用時間を減らしてしまうと、
- 噛み合わせがずれる
- 後戻りのリスクが高くなる
- 治療期間が延びる
といった原因になることがあります。
最初は話しづらさや違和感を感じることもありますが、多くの方が徐々に慣れていきます。また、ゴムは毎日交換が必要になることが多いため、清潔に管理しながら継続することが重要です。顎矯正手術後の仕上がりをより良いものにするためにも、顎間ゴムは欠かせない大切な治療の一つです。
食事は段階的に戻す
手術後は顎に負担をかけないよう、食事内容に注意が必要です。
一般的には、
- 流動食
- やわらかい食事
- 通常食
という流れで徐々に戻していきます。
おすすめなのは、
- おかゆ
- スープ
- ヨーグルト
- 豆腐
- 茶碗蒸し
- ゼリー飲料
などです。硬いものや刺激物は、医師の許可が出るまで控えましょう。
口腔内を清潔に保つ
術後は口の中に傷があるため、感染予防が非常に重要です。ただし、痛みや腫れによって歯磨きが難しくなることがあります。
そのため、
- やわらかい歯ブラシを使用する
- うがい薬を活用する
- 優しく磨く
などを意識しましょう。清潔を保つことで、治癒をスムーズに進めやすくなります。
しびれが出ることがある
術後、一時的に唇や顎周辺にしびれが出ることがあります。これは手術時に神経が刺激を受けるためで、多くは時間の経過とともに改善していきます。回復には個人差がありますが、数か月〜1年程度かけて徐々に感覚が戻るケースもあります。気になる症状がある場合は、自己判断せず担当医に相談しましょう。
激しい運動や飲酒・喫煙は控える
術後しばらくは血流が急激に良くなる行為を避ける必要があります。
特に、
- 激しい運動
- 長時間の入浴
- 飲酒
- 喫煙
などは腫れや出血を悪化させる可能性があります。喫煙は傷の治りにも悪影響を与えるため、術後は特に注意が必要です。
無理に口を大きく開けない
術後は顎周辺の筋肉や関節が硬くなりやすく、無理に口を開けると痛みが出る場合があります。リハビリは医師の指示に従いながら、少しずつ行いましょう。
顎矯正手術後のよくある質問10選
Q1. 手術後の痛みは強いですか?
個人差はありますが、強い痛みというより「腫れ」や「違和感」を感じる方が多いです。痛み止めを使用しながら過ごせます。
Q2. 入院期間はどれくらいですか?
一般的には7〜14日程度です。術式や入院先、回復状況によって変わります。
Q3. 顔の腫れはいつ引きますか?
大きな腫れは2〜3週間ほどで落ち着きます。完全に自然になるまでは数か月かかることもあります。
Q4. 食事はいつ普通に戻れますか?
やわらかい食事から始め、徐々に通常食へ移行します。一般的には1〜3か月程度で普通の食事に近づきます。
Q5. 手術の傷は見えますか?
多くの場合、口の中から手術を行うため、顔に目立つ傷は残りにくいです。
Q6. 仕事や学校はいつから復帰できますか?
デスクワークであれば2〜3週間程度で復帰する方が多いです。ただし体力回復には個人差があります。
Q7. 保険は適用されますか?
顎変形症と診断され、指定医療機関で治療を行う場合は保険適用となるケースがあります。
Q8. 手術後に後戻りすることはありますか?
可能性はありますが、術後矯正や保定装置をしっかり使用することでリスクを抑えられます。
Q9. しびれは必ず残りますか?
多くは時間とともに改善します。ただし回復には個人差があります。
Q10. 顎矯正手術は見た目も変わりますか?
骨格バランスが整うため、フェイスラインや口元の印象が変化することがあります。見た目だけでなく、噛み合わせや発音など機能面の改善も期待できます。
まとめ
顎矯正手術は、骨格的な噛み合わせの問題を改善できる非常に有効な治療法です。一方で、術後には腫れや食事制限などがあるため、正しい知識を持って過ごすことが大切です。術後の注意点を守りながら適切にケアを行うことで、回復をスムーズに進めやすくなります。
「自分は手術が必要なの?」「矯正だけでは治らないの?」と気になる方は、まずは矯正歯科で相談してみましょう。
旭川公園通り矯正歯科では、患者さま一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、丁寧なカウンセリングを行っております。お気軽にご相談ください。
