医院BLOG

矯正治療/矯正治療中の転院の流れ

矯正歯科での治療中に転院(=転医)することは可能です。基本的には治療を始めた医院で最後まで治療をするのが望ましいですが、転勤や転校などの事情によりやむを得ず、矯正歯科を転院しなければいけないこともあるでしょう。本記事では、旭川公園通り矯正歯科における転院の流れについて解説します。

転院は可能?

転院は、可能です

しかし、矯正治療中の転院はあまりおすすめされるものではありません。なぜなら、矯正治療の治療計画や使用する装置は作成する歯科医師によって考え方や治療方法が異なるからです。

矯正治療は、治療前に行った精密検査をもとに作成した治療計画をもとに治療を進めていきます。時には治療計画通りに歯が動かないこともあり、その時に応じて順次修正をしながら最終的な歯並びとかみ合わせを目指していきます。そのため途中で治療計画を作成していない歯科医師に変わると、治療方針が変わってしまったり、当初予定していた治療期間よりも治療が長引いてしまう可能性があります。

また、一見同じようにみえる矯正装置でも、器具のメーカーによってさまざまな規格や商品があり、ワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに使用される装置は歯科医院によって異なります。治療内容や歯科医師の考え方によっては、一度使用していた装置をすべて外し、転院先の装置を再度装着しなければならないことも多くあります。

そのため、歯の矯正治療は可能な限り転院しないで遠方からでも通院を続けていただくことが望ましいとされています。また、すでにお引越しの予定がある場合は、むりに急いで矯正治療を開始せず、お引越し後に矯正治療を開始することをお勧めする場合もあります。

矯正治療中の引っ越しが決まったら

まずは、すぐに当院にご連絡ください。転院手続きには、歯科医師同士の連絡・承諾が必要であったり、転院先にお渡しする資料の作成に時間がかかります。

転勤や留学などの理由で引っ越しが決まった場合は転院する・しないに関わらず、引っ越しまでに行うことのできる治療プランやスケジュールを作成し、患者さんになるべく負担のかからない治療継続方法を提案しますのでなるべく早めにご相談ください。

転院先は、引越し先の地域からなるべく近い歯科医院をご紹介します。もちろん、患者さん自身で指定してくださっても構いません。治療方法によっては、引き受けていただける歯科医院が限られる場合があります(例えば、保険治療など)。

ただし、本来は矯正治療を開始したクリニックで終えるのが望ましいです。転院をするとなると、さらに費用がかかるうえ、治療の方向性も大きく変わる、治療期間も大きく伸びる可能性があります。それらのリスクを踏まえたうえで、転院を検討してください。

転院の際に当院からするもの

  • 治療開始時の資料(口腔内写真やレントゲン写真など)
  • 治療開始時の診断内容(当院での治療計画)
  • 契約内容(支払った治療費等の情報)
  • 実際の治療経過に関する情報
  • 転院先への紹介状(ご依頼状)

転院先へもれなく情報を伝えるのが、治療を円滑に引き継ぐために重要なポイントです。

当院における転院手続きの流れ

① 引っ越しが決まった時点で当院へ連絡

お引越しが決まった段階で、早めに当院へご連絡をお願いします(お電話でも構いません)。引っ越し先や引っ越しの時期が分かればなお良いですが、未定の場合は、まず引っ越しがある旨を当院へ連絡していただき、詳細は決定してから伝えていただければ大丈夫です。

② 転院までの治療プランやスケジュールの相談・転院先探し

次回来院時に、歯科医師と現在までの治療の進み具合を確認し、転院までの治療スケジュールを確認します。治療の進み具合やお引越しまでの期間によっては、これ以降の通院間隔を通常よりも短くすることで、お引越し前に動的治療の終了(保定治療への移行)を目指す場合もあります。

転院をすることに決まれば、お引越し先の近くで続きの治療を引き受けてくれる歯科医院を探し始めます。

③ 当院への最終来院

最終来院日に、転院先への紹介状をお渡しします。紹介状以外の資料は、当院から転院先へ直接郵送いたします。当院から治療費の返金がある場合は、振込先をお伝えください。会計時に、転院資料作成費の支払いがあります。

④ 転院先への来院

お引越し後、転院先へ紹介状を持参のうえ来院し、治療を継続してもらってください。

転院前に確認すべきこと

転院前に必ず以下のことを確認するようにしてください。

  • 同意書の内容
  • 支払い方法

同意書の内容(治療費の精算)

転院するにあたって気になるのが、すでに支払った治療費についてです。これに関しては、民法および消費者契約法の遵守の観点から、日本矯正歯科学会によってガイドライン(倫理規程「矯正歯科患者の転医に際しての矯正費用の返金に関する指針」)が設けられています。これは、我々歯科医院は矯正診療の進行状態に応じて料金を精算しなければならないとするものです。

当院の同意書には、このガイドラインに準じた返金の目安が同意書に記載されており、患者さまの転院が決定した際には、治療の進行状態に応じた治療費の返金を行っております。

転院先での支払方法

歯科医院によって、支払い方法が異なります。一括のみの対応となっているところもあれば、院内ローンが利用できるところもあります。転院の際には、追加の出費が生じる可能性が高いため、無理なく支払える方法を採用しているか必ず確認してください。

転院後の注意点

矯正治療は基本的に自費診療となります。そのため地域のよって価格差が大きく、とくに北海道と比べて本州の方が全体的に矯正料金の相場は高い傾向にあります。そのため、転院後に治療にかかわる処置料の金額が変わったり追加料金などがかかる場合があります。

また、引っ越し先によって近い距離に矯正治療を行える歯科医院がない場合もあります。その場合は、遠方の歯科医院へ通院することになる可能性もあります。

お引越しの可能性がある方にオススメの矯正装置

あらかじめ仕事の関係などで、治療期間中に転院の可能性があるかたには、マウスピース型矯正装置(インビザラインなど) がオススメです。

ワイヤー矯正では、ワイヤーの調整のために月に1度の通院が必要ですが、マウスピース矯正では2~4か月に1回の通院で治療を進められる場合があります。(通院間隔・頻度は治療内容やマウスピースの装着状況によって異なるため、すべての方に当てはまるわけではありません。)さらに、遠隔治療モニタリングシステム(バーチャル・ケア)を使用することで、もっと通院間隔を長くすることも可能です。

また、万が一転院をすることになったとしても、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の場合は国内・国外問わず一括してデータ管理を行っているため、転院先でも安心して治療を継続できるというメリットがあります。

まとめ

矯正治療中に転院をしなければいけなくなった場合について紹介しました。人によって転院する理由はさまざまですが、いずれも転院は可能です。

ただし、本来矯正治療を開始した歯科医院で矯正治療を終えるのことが望ましいことは事実です。転院となると、さらに費用がかかるうえ、方向性も大きく変わる可能性があります。それらのリスクを踏まえたうえで、転院を検討してください。

BACK TO TOP